がんサバイバーが運動によって得られる効果
“がん罹患”と“運動”が結びつかない方もおられるかもしれません。
がん=病気 すなわち安静 と思われても不思議はありません。ですが、近年医学研究の進展により、がん治療への考え方は変わりつつあります。
がんと診断され治療をすることで起こりやすい問題として
- 入院など日常の身体活動量の低下による筋肉量の減少
- 抗がん剤治療などによる食欲低下
- 炎症や代謝異常(がん悪液質)による体重減少
- 不安や緊張による精神的な疲労
- 気分の落ち込みやうつ傾向
- 睡眠の質の低下
- 関節の痛み
- 術後の関節可動域の制限
- 腰痛や肩凝り
- 浮腫
これらの体力低下や身体の不調の多くが運動で改善できる可能性があるのです。
最近では、がんを乗り越えるためにフィットネス(健康や体力の維持・向上を目的として行う運動)が推奨されています。
- 世界保健機構(WHO)2020年改訂ガイドラインによると、がんサバイバーを含む慢性疾患を有する成人および高齢者に有益な効果をもたらす運動または身体活動として、有酸素運動やレジスタンス運動を推奨
- 2014年アメリカの調査により、週1回以上のレジスタンストレーニングを行っているがんサバイバーは行っていない患者に比べて死亡リスクが33%も減少したことから米国がん協会が筋肉トレーニングを推奨
- ACSM(アメリカスポーツ医学会)専門委員会は2019年、がんと共に生きる人や、がんを乗り越えて生活している人たちに、正しく運動を処方することで、がんに関連する多くの健康上の問題がしたというエビデンスを発表。
例として、週3回30分の有酸素運動により、うつ、不安、生活の質、身体機能が改善した。
がんサバイバーポストリハビリセンターってどんなところ?
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がんサバイバーポストリハビリセンターはPILATES AND YOGA STUDIO Work Arts内にあります。がんサバイバーの方専用のパーソナルな空間です。小さなトレーニングルームではありますが、様々なエクササイズ用の器具が揃っています。完全予約制、パーソナルトレーニング(個別指導)ですので人目を気にせずマイペースで運動を行っていただけます。
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がんサバイバーの運動に関する最新情報は、大阪国際がんセンター併設がん専門運動支援センターとの連携により、常にアップデートし、随時相談できる体制をとっております。
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2023年7月でオープン11周年を迎えるWork Artsでは、すでにリハビリから始まったと言われるピラティスや、幅広い年齢層の方に親しまれているヨガを通して、体力や機能の回復をされた多くのがんサバイバーの方が、今も継続して日々エクササイズを楽しんでおられます。がんサバイバーポストリハビリセンターでの回復後、あるいはご利用中であっても体力や体調、ご希望に応じてWork Artsメンバーへの移行が可能ですので、切れ目なく運動を継続して頂けます。